ロトルア、MTBの奇跡
2026年3月に1週間、ニュージーランドロトルアでMTB三昧してきた。そのコースの多様さ、高い質、ハイグリップな土質に感動した。また、単なる”MTBコース”ではなく、ロトルア全体がMTB(=観光)を核に回っているというのも日本ではありえない驚きがありました(強いて似ているところを上げるなら北海道のニセコが近いが規模が異なる) ロトルアはCrankworxの開催地でもあり、僕らが訪れた翌週にロトルアで2回目が行われました。観光客のみならず、世界的イベントを誘因できるほどのポテンシャルがあります
なぜ人口7万人ほどの小さな町ロトルアはMTBの聖地になったのか?少しだけ深掘りしてみました。
観光にコミットするニュージーランド
ニュージーランドは地政学的には世界の辺縁です。人口過密エリアである世界の主な市場(亜・欧・米)から地理的に遠すぎます。鉱物資源も豊かではありません。物流と資源。このふたつが制約となり、重工業が発展しませんでした。結果として手付かずの自然が多く残っています。重工業が低調×豊かな自然がニュージーランドを観光へシフトさせたと言えます。
ロトルアモデル:そのハイブリッド構造
① ハード面: 火山灰土壌という「天然の低コスト・高機能素材」× 林業用道路という既存インフラの活用。 ② ソフト面: 土地所有者であるマオリとの調和。「マナアキタンガ(おもてなし)」をブランド化し、土地の利権をスポーツと観光に開放。 ③ システム面: 林業(一次産業)× MTB観光(三次産業)× 温泉。一つの山から複数の収益源を生む「一山多用」のビジネスモデル。
ロトルアモデルに見る非グローバル主義
巨大資本によるテーマパーク化を拒む、地元のビルダーやショップ主導の「ローカル・ファースト」が見られる。ガイドが連れて行ってくれたローカルのフード、モーテルの朝食に届けられた地元産の食材。そうそう、自分たちはコカ・コーラとマクドナルドに毒された世界を脱出してここロトルアにいるのだ、と強く感じさせる。その非グローバル主義が結果として世界中のライダーを惹きつける最強のマーケティングになっている。
日本はロトルアになれるのか?
結論から言うと日本とNZは似て非なるものであり、日本がロトルアを真似ることは不可能
工業国かつ人口過密な日本にとって、観光は数ある選択肢の一つだが、NZにとっては生存戦略そのもの
日本にロトルアを作ることを目指すより、NZという完成されたモデルをリスペクトし、工業国としてそこへアクセスできる経済力を維持する方が現実的。日本人ライダーはお金を貯めてニュージーランドに走りに行くのが最適解。
まとめ、また行く?
ニュージーランドは第一次産業で得たマネーを観光に投資しています。国策であり、マオリのナラティブを活かしたユニークなMTB聖地をロトルアに生み出しています。それを体験することは日本では絶対に味わえない貴重なもの
必ず再訪したい