紙媒体の影響力が低下し、代わってインフルエンサーのエンドユーザーへの影響力が非常に大きくなっている昨今です。インフルエンサーは言います「今日は忖度無くレビューしますんで!」と。果たしてそれはどの辺まで信頼できるのか?ということをちょっとだけ

インフルエンサーとメーカーは契約を交わすことが多い

当たり前ですが、メーカーはインフルエンサーに製品をポンと渡して「あとはよしなに」なんてことはしません。きちんとした契約書を取り交わします

スポンサーシップ契約の概略

じゃぁどういう内容かというと、その概略はだいたいこんな感じです。

1. 契約期間と発効の条件

  • 期間: 製品に関する動画がSNSや動画サイトに公開された日からX年間。

  • 更新: 満了前にお互いが更新の通知を送らなければ、自動的に終了する。

2. メーカー(甲)から提供されるもの

  • 甲が製造するプロダクトA及びB

3. インフルエンサー(乙)が負う義務(プロモーション内容)

  • メディア露出: Xヶ月に最低1回以上のペースでレビュー記事を掲載する(製品URLのリンクを必須で設置)

  • SNSでの発信: SNSで月一定回数の宣伝投稿を行い、指定のハッシュタグ等のタグ付けを行う。

  • リアルイベントでの露出: 年X回程度イベントに出場し動画やブログ、SNSで使用について言及する。

  • 裏方としての協力: メーカーのウェブサイトにある翻訳文章の校正や、日本国内の市場動向(マーケティングデータ)を提供する。

  • 製品のフィードバック: 製品の使用経験をメーカーと共有し、製品改善のための提案を行う

4. 物品の取り扱いと管理ルール

  • 提供されたプロダクトを他人に貸したり、故意に傷つけたりしてはいけない。

  • 万が一破損した場合、製品保証の範囲内であればメーカー負担、範囲外であればインフルエンサー個人の自己責任で修理する。

  • 処分する際は、メーカーの同意なしに勝手に処分してはならない。

5. 契約解除とペナルティ

  • 怪我などで長期間プロモーション活動ができなくなった場合は、契約が解除される。

  • メーカーの評判やイメージを損なったり、利益に反する行為をした場合、メーカー側は直ちに契約を解除できる。

  • 契約に違反し、メーカーに多大な損失を与えた場合は、損害賠償を請求されるリスクがある。

  • メーカーの業務上・企業上の秘密(契約内容や未公開情報など)を外部に漏らしてはならない。

大事なことは「5. 契約解除とペナルティ」に含まれる、製品に対する利益相反行為の禁止です。簡単に言うと、製品の悪口は言えません。

忖度無きレビューは無い/非常に難しい

今日は忖度無くレビューしますんで!」というインフルエンサーとぼくらユーザーの間に、忖度無くレビューすることを義務付ける契約はありません。その一方で、インフルエンサーとメーカーの間には「メーカー/製品の評判を貶めてはいけない」という契約があります。口約束と契約どっちが優先されるか、、、あとは分かるな?

インフルエンサーは詐欺師ではない

じゃぁ、インフルエンサーが噓つきの詐欺師かというと、そういうわけでもありません

  • 紙媒体に代わるユーザーへの貴重な情報提供の媒体です。紙メディアは多くの人にリーチしませんし、令和最新のメディアとしてインフルエンサーが関わるのは自然なことと言えます
  • 改善点をメーカーに伝えるデバッガとしての役割を果たします。使ってみていまいちなところをメーカーに伝え、製品の完成度を上げることがあります。インフルエンサーは一般消費者よりも多くの種類の製品に触れていることが多いですし、不具合の発見をする可能性が高いです。また、メーカーとしてもインフルエンサーからのフィードバックは無視できません
  • 遠まわしにおすすめできない理由を伝えることもある。「ガチのプロ用なので、ライトユーザーにはちょっと贅沢すぎるかもしれません(使いにくさの指摘)」とか、「かなり脚当たりがソフトなので、レースよりロングライダー向けですかね(剛性不足の指摘)」とか。行間を読めいうやつですね
  • そもそもダメ製品は契約しないという手もある。インフルエンサーとは言え人間なので、嘘はなるべくつきたくないわけ。なのでダメだなと思った製品はお断りすることがあると思います。知らんけど。

まとめ

というわけで、「メーカーからご提供いただき」系レビューの裏側をちょっとだけ。行間をしっかり読んで自分に合っているか、コスパは良いか考えるのが大事です。ちなみに自腹で買って使ってる人をSNSで探して質問するとネガな部分を見つけやすいんじゃないかな